ブロカント(BROCANTE)とは
ブロカントは、フランス語で美しいガラクタという言葉が語源です。
アンティークが製造から100年以上経過したものを指すのと違い、まだ100年は経っていないけれど、長年愛され使われてきたものたちを言います。
日本で古道具というと役に立ってきたまさに道具を指しますが、ブロカントと呼ぶときはそこに芸術的な美しさも加わっている感じです。
ヴィンテージはアメリカ生まれの、時を経たとっておきのものというニュアンスがあるように思います。やはりブロカントと呼ばれるものは、古道具ともヴィンテージともちょっと違うものがあります。ブロカントがフランスで生まれたように、フランスを中心としたヨーロッパの素敵な古いものを指していると思います。
フランスには「蚤の市」の他に「ブロカント」という週末に開催されるマーケットがあります。
蚤の市とブロカントは似ているけれど、少しだけニュアンスが違います。
「蚤の市」はアンティークを中心にプロが出店するものになり、「ブロカント」はアンティークと中古品を含み、プロだけでなく一般の人も出店するものという感じです。
「ブロカント」は、高価なアンティークの蚤の市より気軽な印象です。
イギリスでも「蚤の市」が週末にはあちらこちらで開催されていますが、フランスの蚤の市とは雰囲気が違います。
フランスでの蚤の市に並ぶものたちは美しいものがとても多い印象で、「飾る」というキーワードがある感じがするのに対し、
イギリスではもう少し実用の要素が濃い感じがします。精巧にできた懐中時計、双眼鏡、方位磁石というように飾る要素よりも長年しっかり使われてきた「質の良いもの」というキーワードがあるように感じます。
もちろん、どちらも魅力的ですが、こうしたところにフランスとイギリスの違いを感じます。
フランスの商品は柔らかいイメージ。イギリスの商品は硬めのイメージが私の中にはあります。
どちらの良さもお届けしたく、フランスとイギリスの商品が中心となっています。
お店の名前をブロカントとしているのは、ブロカントがアンティークもありながら、アンティークに時が満たないものも含んでいるからです。ブロカントには宝探しのようなわくわくがあるのです。
SLOW TIME SHOPのオンラインショップでご紹介している、時を経たものたちの味わいを、ぜひ楽しんでいただけましたらと思います。店舗は東京八王子にあります。お店の商品をひとつひとつ眺めていると、時間を忘れてしまうくらい楽しく、またなんだかとても心が満ちて癒されるのです。
どんな時代に、どんな人が使っていたんだろうと探り出すと、いつの間にか歴史を探ることにつながります。
17世紀、18世期、19世紀という時代が、切り離された遠い過去ではなく、自分とは関係のない世界でもなく、今ここに目の前の商品に感じる時間がとても好きです。
その時代、人々がどう生きたのかに思いを巡らせたりと、古いものたちの魅力は幅広く広がっていて興味が尽きないのです。
古いものに触れると、自分の魂のスイッチがパチンと入り、不思議な感覚に包まれます。
そんな感覚を味わっていただけたらとの思いでオンラインショップを始めています。