【1920年から30年代頃】フランスの美しき温泉保養地ヴィシー「アール・ヌーヴォーの源泉スタンド」ポストカード(Elce'製)14cmx9cm
管理番号G91
フランスの歴史ある温泉街ヴィシー(Vichy)に佇む、エレガントな「源泉スタンド(Source Chomed / 温泉水を飲む場所)」の内観を美しく切り取った、戦前のリアル・フォト(実際の写真印画紙)ポストカードです。
ドーム状の美しい天井やアール・ヌーヴォー様式の見事なガラス・アイアンワークの装飾、そして白い制服を纏って温泉水をサーブする女性たちの姿が、鮮明に写し出されています。
右下には構図の美しさで定評のある「Elce'」のロゴが刻まれています。
裏面には当時のヴィシーの観光プロモーション用スタンプが押され、滞在中の主人が「毎日食事の前にこの源泉を飲んでいるよ、とても賑わっているよ」と、現地の活気をリアルタイムで綴った美しい筆記体メッセージが残されています。
受取人: Mademoiselle Nicole Vanquille 様(ニコル・ヴァンキーユお嬢様)
住所: Batilly-en-Ga'tinais (Loiret)(ロワール県、バティリー=アン=ガティネ)
お届け先の「バティリー=アン=ガティネ」は、フランス中部のロワール県に実在する、現在も人口400人ほどののどかで小さな村です。
切手: 12サンチームのオレンジ色の切手が貼られています。
消印(スタンプ): "VICHY / LA REINE DES VILLES [THERMALES]"(ヴィシー / 温泉街の女王)という、当時のヴィシーの観光プロモーション用のおしゃれな消印が捺されています。
左側のメッセージ(カードの上部には )「VICHY (Allier) - Source Chomel / Tempe'rature 43°」(ヴィシー・ショメル源泉 / 温度43度)と印刷され、まさにこの温泉の目の前で書かれたような内容になっています。
Voici la source ou tous les jours avant les repas je vais boire mes ho [un] gr[and] d’eau, mais il ne faut pas croire que j’y suis seule ! comme l'air de le pre'tendre la carte.D’ailleurs ton pe're doit m’y photographier au moment de l’affluence, c’est a' ne pas approcher !
「ここが、私が毎日食事の前に、大きなグラス一杯の温泉水を飲みに行っている源泉です。でもね、このカードの絵柄(表面の景色)がそう見せかけているみたいに、私がここで『一人ぼっち』だなんて思わないでね!それどころか、あなたのパパが、人が一番ごった返す時間に私の写真を撮ってくれることになっているの。その時間帯は、もう近づくこともできないくらい大混雑なのよ!」
Hier apre's-midi l’Opel nous a conduits a' Thiers que de coutelleries, m[o]ins que de vieilles boutiques ou' l’e'lectricite' est allume'e toute la journe'e a' cause de l’e'troitesse des rues et pour se rendre la'-bas que de virages assez dangereux.A biente't de vos nouvelles. (サイン:A.)
「昨日の午後、オペル(当時の自動車)に乗ってティエール(Thiers)へ連れて行ってもらいました。そこは刃物の店ばかり!それだけでなく、通りがとても狭いために、一日中ずっと電気が点いているような古めかしい小さなお店がたくさん並んでいました。そこへ辿り着くまでの道のりも、かなり危険な急カーブばかりだったのよ。またすぐにお便りしますね。」(Aより)
ヴィシーは19世紀から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパ中の王侯貴族や富裕層が健康のために「温泉水を飲む治療(飲泉)」をしに集まった最高級リゾートでした。メッセージにある「食事の前に源泉の水を飲む」というのは、まさに当時確立された定番の健康法です。
差出人の「A」さんは、ニコルちゃんのお父さんと一緒にヴィシーを訪れており、現地で「Opel(オペル)」の車を走らせて近くの山間にある街「Thiers(ティエール)」まで足を伸ばしたようです。ティエールは中世から続くフランス最大の刃物・ナイフの聖地として世界的に有名な街で、「あたり一面刃物屋だらけ、中世のままの狭い路地」という特徴が、100年前の旅行者の目線でリアルに描写されています。
「人が多すぎて近づけないほどの温泉の賑わい」や「スリリングなドライブ」を、故郷の幼いニコルちゃんに楽しそうに報告している、お土産話のワクワク感がぎゅっと詰まった魅力的な1枚です。
当時のフランスの上流階級の洗練されたリゾート文化をそのまま感じられる、非常にディスプレイ映えする建築エフェメラです。
状態: アンティーク品特有の風合い(味)をお楽しみください。
当店でご紹介しています、ほとんどの商品はアンティークやブロカントの古いものです。目立つダメージはできるだけ写真や文章で説明しておりますが、それ以外にも小さなキズや汚れがある場合があります。日中と夜のライト下での確認作業では、それぞれ見え方が違い、見落としがある場合があります。細かい点について、ご質問がございましたら、1点1点細かく確認いたしますので、お買い物をされる前にお気軽にお問い合わせくださいますよう、お願いいたします。
*商品は人から人へと渡り継がれてきたものです。古いものならではのコンディションも含めて、次にお受け取り頂ける方にご購入いただきたいと思っています。商品にはすべて、ひとつひとつ物語があります。その物語を繋いでいただきたいと願っています。