1916年、あふれる言葉をカードにのせて /フランス・手彩色フォトポストカード「Bonne Fe'te」1916年
14cmx9cm
管理番号G58
ミントグリーンとパウダーピンクの優美なドレスに身を包み、薔薇の花束を手に優しく微笑む貴婦人。第一次世界大戦中の1916年、今から110年前のフランスの気品あふれるリアルフォト(写真)・ポストカードです。
上部に銀色で施された「Bonne Fa'te」は、フランス語で「おめでとう」を意味する言葉。
お誕生日やその人の聖名祝日を祝うために作られた特別な一枚です。
セピア色の写真の上から、職人が丁寧にドレスの薔薇模様やリボンに色彩を重ねた「手彩色(ハンドカラー)」の技法が用いられていて、ベル・エポックの余韻を残すクラシカルでロマンチックな世界観が表現されています。
このカードのもう一つの大きな魅力は、裏面に広がる圧倒的な手書き文字の美しさです。
1916年12月9日の日付とともに、細い万年筆のペン先で、画面を埋め尽くすほどびっしりと美しいフランス語が綴られています。
メールや十分な紙がなかった時代、伝えたい想いがあふれて宛名側の余白にまで文字を書き連ねた当時の持ち主の息遣いが、110年の時を超えてリアルに伝わってくるようです。
le 9 D'cembre 1916Et tre's cher ami,Je t'envoie cette carte pour te souhaiter un Noe''l, que tu la passe tre's bien et a' Hye'res pour la Nouvelle Anne'e.Je te dirais que le 42e est a' Toulouse et Louis Amiel est aller voir mes parents, auparavant nous avons fait la chube [chambre] des franchis [franchises] et cela a fait plaisir a' mes chers amies. Je ne te fait pas plus long pour aujourd'hui, rec'ois de ton amie qui t'envoie ses meilleures amitie's.Rossetto Louis
※当時の手書き特有の綴りの揺れや、軍隊用語・口語表現(chube:兵舎の部屋・寝床を指す当時の兵隊言葉)が一部含まれています。
1916年12月9日親愛なる大切な友へ、クリスマスのお祝いを伝えたくて、そして君がイエール(フランス南部の都市)で素晴らしい新年を迎えられるよう願って、このカードを送ります。近況を伝えると、第42連隊は現在トゥールーズにいて、ルイ・アミエルが私の両親に会いに行きました。その前、私たちは無料手紙(軍事郵便)の部屋の準備(片付け)をしましたが、それが親しい友人たちにも喜ばれました。今日はこれくらいにしておきます。君の友人より、心からの親愛の情を込めて。ロセット・ルイ
歴史的な背景日付「1916年12月9日」: 第一次世界大戦の真っ最中(ヴェルダンの戦いやソムの戦いがあった年)です。「第42連隊 (le 42e)」と「トゥールーズ (Toulouse)」: 差出人のルイ(Rossetto Louis)はおそらく軍に関係しているか、後方にいる兵士です。
当時の軍隊の配置や、軍事郵便(franchise)に関する記述から、戦時下の緊迫しつつも日常を維持しようとする人々の繋がりが垣間見えます。長い歳月だけが育てることができる、角の小さな擦れやセピア色に染まった紙肌。
ただそこに飾るだけで、お部屋の一角をフランスの古い物語で満たしてくれるような、深いノスタルジーを秘めた貴重なコレクションピースです。
当時の人々の温かな心の交流に想いを馳せながら、ぜひお手元でお楽しみください。
状態: アンティーク品特有の風合い(味)をお楽しみください。
当店でご紹介しています、ほとんどの商品はアンティークやブロカントの古いものです。目立つダメージはできるだけ写真や文章で説明しておりますが、それ以外にも小さなキズや汚れがある場合があります。日中と夜のライト下での確認作業では、それぞれ見え方が違い、見落としがある場合があります。細かい点について、ご質問がございましたら、1点1点細かく確認いたしますので、お買い物をされる前にお気軽にお問い合わせくださいますよう、お願いいたします。
*商品は人から人へと渡り継がれてきたものです。古いものならではのコンディションも含めて、次にお受け取り頂ける方にご購入いただきたいと思っています。商品にはすべて、ひとつひとつ物語があります。その物語を繋いでいただきたいと願っています。