【1910年消印・名門VBC製】フランス アンティーク・ポストカード「花車を引く3人の子供たち」金文字・手彩色14cmx9cm
管理番号G99
表面の下部に「Pour vous les offrons de tout notre coeur...(私たちの心からの贈り物をあなたへ…)」と優しく詩的なメッセージが添えられた、1910年のポストカード。
バラや可憐な花々をたっぷりと載せた小さな手押し車を引く、クラシカルな衣装を纏ったお洒落な3人の子供たち。
モノクロの写真に、女の子のドレスのピンクやミントグリーン、花びらの色彩が1色ずつ手作業で丁寧に色付けされた(ハンドティント)。
ベル・エポック期ならではの極めて贅沢な職人技が光る逸品です。
特筆すべきは、表面右上に残された1910年10月13日の消印と赤い切手。
裏面にはガルジャンヴィル(Gargenville)の駅長を務める「Monsieur Bregain(ブレガン氏)」へ宛てた、親愛に満ちた手書きの筆記体が美しいバランスで綴られています。
表裏どちらを向けても完璧なストーリーを放つ、特別な1枚です。
宛名:Monsieur Bregain (ブレガン 氏)
肩書(職業):chef de gare (駅長)
住所:a' Gargenville (ガルジャンヴィル:パリ西郊のコミューン)県名:Seine et Oise (セーヌ=エ=ワーズ県 ※1968年に廃止されたかつての旧県名です)
「親愛なるご主人、そして奥様へ(Chers Monsieur et Madame)私たちの義理の父親(あるいは義父 / beau-pe're)が土曜日まで家に滞在することになりました。そのため、私の夫(mon mari)が皆様のところへお伺いできるのは来週になってしまいます。私たちはいつも皆様にお会いできるのを楽しみにしております。それでは、私たち4人から心を込めてハグ(親愛の挨拶)を贈ります。皆様の友人、ルブラン(J. Lebrun)より」
【下部の追記】「ブレガン氏(駅長)の体調がすっかり回復されていることを願っています(あるいは、そう思っています)。」
20世紀初頭において、鉄道は国の最重要インフラであり、駅長は地域社会において信頼され、尊敬される社会的地位の高い役職でした。手紙の文面からも、丁寧で親密な付き合いが伺えます。
消えた県名「セーヌ=エ=ワーズ県(Seine-et-Oise)」:住所に書かれているこの県は、かつてパリを取り囲んでいた大きな県ですが、1968年の行政区画再編によって分割され、現在は存在しません(現在のガルジャンヴィルはイヴリーヌ県に属しています)。この表記自体が、このハガキが古い時代(おそらく1900〜1920年代頃)のものである動かぬ証拠となっています。
左端の印刷「"ETOILE", 2 rue d'Amsterdam, Paris」:これはハガキを製造した出版社(写真スタジオ)の情報です。パリのサン・ラザール駅のすぐ近く、アムステルダム通り2番地にあった「エトワール(E'toile)」という有名なポストカード会社が手がけた一連のシリーズ(Se'rie N. 2387)であることが分かります。駅長さん宛ての手紙というのも、当時の鉄道史のロマンを感じられてとても素敵ですね。
状態: アンティーク品特有の風合い(味)をお楽しみください。
当店でご紹介しています、ほとんどの商品はアンティークやブロカントの古いものです。目立つダメージはできるだけ写真や文章で説明しておりますが、それ以外にも小さなキズや汚れがある場合があります。日中と夜のライト下での確認作業では、それぞれ見え方が違い、見落としがある場合があります。細かい点について、ご質問がございましたら、1点1点細かく確認いたしますので、お買い物をされる前にお気軽にお問い合わせくださいますよう、お願いいたします。
*商品は人から人へと渡り継がれてきたものです。古いものならではのコンディションも含めて、次にお受け取り頂ける方にご購入いただきたいと思っています。商品にはすべて、ひとつひとつ物語があります。その物語を繋いでいただきたいと願っています。