フランス/サルグミンヌ(SARREGUEMINE)
JARDINIEREローズ色のピシェと大きなボウルのセット
ピシェ210x180xH135mm+ボウル333×333×H95mm
管理番号C9202
サルグミンヌJARDINIEREのピシェと大きなボウルのセット。
これまで青色の絵柄をご紹介してきましたが、今回は珍しいローズ色です。
JARDINIEREは庭師という意味。植物の香りが混ざり合う、庭師が活動する空間のイメージでしょうか。
庭のフェンスに植物があふれている、そうした空間を意識するシリーズです。
片面は艶やかに咲き誇る薔薇の花が、もう片面には生き生きとひまわりが描かれています。
水道がまだなかった時代、こんなふうに水差しと洗面器の組み合わせで使われていました。
U&C刻印があり、1870年以降のドイツ領となったサルグミンヌで作られています。
重さはピシェ953g 、ボウル1613gのずっしりしたボリュームです。
ここまで状態の良いピシェとボウルのセットは、なかなか出会えないと思います。
花を行ける火器として大活躍してくれると思いますが、
器自体が花畑のようなので、このまま飾っても!
ディスプレイにも大活躍します。
サルグミンヌ(SARREGUEMINES)は、1784年にニコラス・アンリ・ヤコビとそのパートナーによって、ドイツとの国境に隣接するサルグミンヌで創業。しかし経営はうまく行かず、19世期に、工場はドイツ人のポール・ウィッチシュナイザー(Paul Utzschneider)に引き継がれます。この頃の刻印はF&U (Fabry&Utzschneider)。ビジネスに長けていたポールはサルグミンヌを国際博覧会で世界に紹介し、彼の顧客はナポレオンやブルボン王朝まで到るようになります。工場の経営は順調に進み、1830年位はヴィレロイ&ボッホと資本協力し、市場を分け合うほどに成長します。そしてそれまでの薪を使っての窯焼き(薪オーブン)を蒸気運転(石炭オーブン)に設備を整え生産力も向上していきます。
ところが、1870年の普仏戦後サルグミンヌがフランス領からドイツ領に変わり、完成品をフランスに運ぶために陶器に膨大な輸出税がかかるようになったことと、サルグミンヌとしてのフランス籍を守るため、1876年にフランスブルゴーニュ地方の小さな町ディゴワンにサルグミンヌ窯を移します。
この時、ドイツ側にはUtzschneider & Cie(U&C Sarreguemines)を置き、(ドイツ側はUtzschneiderの娘婿が経営を引き継ぎ刻印はU&C(U&Cieに))、フランス側は当時すでに陶器制作をしていたディゴワン(Digoin)と合併しDigoin &Sarregueminesと、ドイツとフランスと2つの会社に分割します。
ディゴワンでは、Digoin、Sarreguemines、Digoin&Sarregueminesの3つの刻印が当初使われていましたが、その後会社名をDigoin &Sarregueminesに変更し、1881年から総称をFaienceries de Sarreguemines、Digoin et Vitry-le-Francois(ヴィトリールフランソワ) と呼ぶようになります。ディゴワンでは、ディゴワン&サルグミンヌとして100年以上に渡り、数々の陶器生産を続けてきました。
第一次大戦のドイツの敗戦によりサルグミンヌ製陶工場は再びフランス領に戻るのですが、その後は経営不振により1942年から3年間、ヴィレロイ&ボッホに経営が委託され、さらに時代の流れに逆らえず、1978年にリュネヴィル・バドンビレー・サンクレマングループに買収され、この年で食器の生産を終えています。その後はタイル製造に専念してきましたが、2002年に株主となった従業員に製造が引き継がれて、2007年に破産宣告と共にフランスを代表するディゴワン・サルグミンヌとしての古窯は200年を越える歴史の幕を降しました。
生産国:フランス
窯:SARREGUEMIN
シリーズ: JARDINIERE
サイズ :ピシェ210x180xH135mm+ボウル333×333×H95mm
刻印: JARDINIERE U&C SARREGUEMIN
重さ: ピシェ953g 、ボウル1613g
コンディション:ピシェは貫入があり、底部分の貫入内にシミ(画像22枚目)があり、裏面台座に経年の汚れ(画像22枚目)があります。ピシェ内部の底に鎌傷の灰粒(画像21枚目)があります。ピシェ全体の貫入にもうっすらシミがありますが目立ちません。キズ、カケのない素晴らしいコンディションです。ボウルは目立たない、細やかな貫入があります。裏面台座の汚れ、裏面縁取りにライン(最後の画像)がありますが、
表面は新品と見間違うほどきれいな状態です。
当店で販売するほとんどの商品はアンティークやブロカントの古いものです。目立つダメージはできるだけ写真や文章で説明しておりますが、それ以外にも小さな傷や汚れがある場合がございます。また、同じお皿でも個体によって状態が違いますので、平たい場所に置いた際にガタつきがある場合があります。アンティークの風合いや特性として予めご了承くださいませ。
日中と夜のライト下での確認作業では、それぞれ見え方が違い、見落としがある場合があります。細かい点について、ご質問がございましたら、1点1点細かく確認いたしますので、お買い物をされる前にお気軽にお問い合わせくださいますよう、お願いいたします。
*本来の色味や素材感がきちんと伝わるように自然光で撮影していますが、お使いのモニターにより実物と少し違うことがある場合があるかも知れま
せん。
*アンティーク&ヴィンテージの商品は長い年月を経てきたものになります。経年の劣化は味わいとして商品の魅力となっています。新品を求められ
る方はご購入をお控えくださいませ。
*キズ、カケ、貫入がある場合、説明文と画像にてご案内していますので、ご承知の上でのご購入をお願いします。商品は人から人へと渡り継がれて
きたものです。古いものならではのコンディションも含めて、次にお受け取り頂ける方にご購入いただきたいと思っています。商品にはすべて、ひ
とつひとつ物語があります。その物語を繋いでいただきたいと願っています。説明文と画像でご案内していますキズ、カケ、貫入などのコンディシ
ョンがキャンセルや返品の理由にならないことをご理解の上、お買い物をお願いいたします。
*Slow Timeが扱っている商品は時を経たものばかりです。ひとつひとつ職人が手で作り出したものは、釉薬のかけ方や量が微妙に異なったりと、同
じお皿でも個体によって重さや状態が違います。それが手作りの魅力であり、生身の人間が関わっていることを教えてくれます。
<キズとは>カトラリーの跡など、製造後についたものを言います。
<カケとは>チップとも言いますが、主に縁が硬いものに当たって欠けたものを言います。
<黒点とは>窯で焼く時、窯内部にただよう灰などが付着して、そのまま焼かれたものを言います。
<貫入とは>器の表面に施された釉薬(ガラスの層)が、温度変化などでひび割れたような模様ができることを言います。
味わいとして和の器ではわざと貫入を入れるように焼くものもあります。目で見えるものから目に見えない細かいものまで幅広くあり、
陶器の価値を下げるものではなく、アンティークとしては魅力のひとつとなっています。ヒビは表面を手でなぞると引っ掛かりがありま
すが、貫入は釉薬の内部にできるのでなめらかです。
<ヒビ>衝撃によってのヒビや経年の温度変化で薄くはいるものまであります。
<シミ>貫入の中に入っているものを言います。
<窯キズ>焼き上げ時にお皿を金具で持ち上げる際、裏面に3箇所金具跡が残る部分など。
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